みなさんはa number of、the number ofというイディオムを知っていますか?それぞれ高校英語で習う重要な表現です。ネイティブもよく使います。
このふたつのイディオム、似ているのに意味は全然違います。よく引っ掛け問題として出題されるのもそのためです。
今回はa number ofとthe number ofそれぞれの意味、そしてなぜaとtheが違うだけで違う意味になるかを紹介したいと思います。
a number of – たくさんの、いくつかの
a number ofは「たくさんの、いくつかの」という意味を表すイディオムです。
a number of coinsと言えば「たくさんの硬貨」、a number of daysで「何日も」となります。
なぜこのような意味になるのでしょうか?
aという単語は見落とされがちです。しかしaには「(適当に選んだ)ひとつの」という意味があります。
例えばI bought a bananaという英文を考えます。普通に訳せば「私はバナナを買った」です。aの意味をはっきりさせるように訳すとどうでしょうか。
「私は(何個もあるうちから適当に選んだひとつの)バナナを買った」となります。スーパーに並んでいるたくさんのバナナから1つ適当にとってカゴに入れるイメージが浮かびますよね。
後述しますがこれがI bought the bananaになるとニュアンスが全く変わってきます。
ここでa number ofに戻りましょう。a number ofは「(たくさんある中から適当に選んだ)ひとつの数字)」となります。
その数字は100かも43かも5かもしれません。でも、「たくさんの」または「いくつかの」数であることはわかりますよね。
例文:
A number of people gathered in the garden.
たくさんの人々が庭に集まった。
She won a number of prizes.
彼女はいくつもの賞を勝ち取った。
the number of – ・・・の数
the number ofは「・・・の数」という意味を持ちます。
例えばthe number of cars is increasingと言えば「車の数は増えている」となります。
theという英単語は「(あなたも知ってる)特定の」という意味を持ちます。
I bought the bananaは「私は特定のバナナを買った」となります。買ったバナナは特別なものであり、聞き手が特定できるものです。事前にI saw a banana grown in Japan(私は日本で育てられたバナナを見た)という英文があったのかもしれません。
the number ofも「特定の数」となるので「たくさんの」「いくつかの」といった曖昧なものではいけません。確定的な数量を示したい時に用いられます。
例文:
The number of the poor has been increasing for years.
貧困層の数は年々増え続けている。
The number of Dragon Balls is seven, right?
ドラゴンボールの数は7つだったよね?