「for you」と「of you」の違いを解説!「It is kind of you」は何故ofを使うのか?

It is difficult for him to solve this problem
彼にこの問題を解くのは難しい。

Itを仮の主語にする語法 It is (形容詞) for (誰誰) to do「(誰誰)にとって…するのは(形容詞)である」は非常によく使います。

このforがofになるパターンをご存知でしょうか?It is(形容詞)of (誰誰)to do「(誰誰)にとって…するのは(形容詞)である」という語法です。高校生で習いますね。

良く出る例文としてIt is kind of him to help her.「彼女を助けるなんて彼は優しい」とkindを使うものがあります。

for himとof himの違いは何でしょうか?案外わからないですよね。

例文と共に詳しく見ていきましょう。

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for himとof himの文法的な使い分け

その形容詞が「彼の性質」を示すものならばofを使い、そうでないならforを使います。

使い分けで必要な知識はそれだけです。簡単ですよね。

これだけだとピンとこないと思うのでいくつか例を挙げて説明してみましょう。

It it kind of him to help her.
彼女を助けるとは彼も優しいね。

ここで使っている形容詞 kind (優しい)は彼のことを表していますよね。彼女を助けた「彼が」優しいのです。

ではこの文はどうでしょう。

It is difficult for him to help her.
彼女を助けるのは彼には難しいです。

ここで使われているdifficult(難しい)は何のことでしょうか?「彼女を助ける」ことが難しいのですよね。「彼が」難しいわけではありません。

「It is (形容詞) of (誰) to (何何)」という構文は「(何々)をする(誰)は(形容詞)だ」と訳すことができ、「It is (形容詞) for (誰) to (何々)」という構文は「(誰)が(何々)をするのは(形容詞)だ」と訳せます。

形容詞にかかっているのが「人」であるのか「動作」であるのか。これだけに注意すれば間違えることはないでしょう。

例文

It is impossible for her to beat him.
彼を倒すのは彼女には不可能だ。

不可能なのは「彼を倒すこと」ですからここはforを使うのが正しいです。

It is nice of him to forgive her.
彼女を許すなんて彼は優しいね。

優しいのは「彼女を許すこと」ではなく「彼」ですよね。ですからここはofを使います。

for youとof youの前置詞のイメージ的な使い分け

文法的な違いについては先ほど説明した通りですが「なぜforとofが違うだけで意味が違ってくるのか」が気になる方はいらっしゃると思います。

これはforとofの持つ前置詞のイメージの違いによるものです。

forのコアイメージは「…に向かって」です。対象を指さしているようなイメージですね。

ここで「It is difficult for him to finish the homework」(宿題を終えるのは彼には難しい)という文を考えてみましょう。

finish the homework(宿題を終えること)は誰にとってもdifficult(難しい)とは限りませんよね。例えば秀才にとってはeasyかもしれません。逆に超バカな人間にとってはimpossible(不可能)である可能性もありますよね。

しかしfor him「彼に向かっていく」とそれはdifficultになるのです。

ここで言うforとは「・・・にとって」という意味を表します。

forのイメージ

一方ofのコアイメージは「…から分離して」です。

ここで「It is kind of him to help her」(彼女を助けるなんて彼も優しい)という文を考えてみましょう。

「kind of him」とは「彼から分離したやさしさ」つまり「彼から出たやさしさ」です。

彼が内に持つ「やさしさ」が外に出て「彼女を助ける」という行動に発展した、という感じです。

ofのイメージ

なんとなくイメージをつかむことができたら幸いです。

よくわからない方もこんなイメージを理解しなくてもofは「人の性質」に対して、forは「やることの性質」に対して使用することさえ知っていれば問題ありません。

まとめ

 It is (形容詞)for youとof youの違いとは?
・for youは「やることの性質」に対して形容詞を使うときに用いる
・of youは「人の性質」に対して形容詞を使うときに用いる
・It is (形容詞)for you to (何々)「あなたにとって(何々)をするのは(形容詞)だ」
・It is (形容詞)of you to (何々)「(何々)をするなんてあなたは(形容詞)だ」
・forは「…に向かって」というイメージ、ofは「…から出て(分離して)」というイメージ